フリーゲーム感想その198 「両手に今夜水を持って」
ゲーム紹介
世界の存続か、滅亡かを選択する系ノベル
短い話が3つ入ったノベルゲームです。
魔法使いがとある娘の願いをかなえようと話を聞くお話、
全身が動かない女性のお話、
少年と亡くなった彼の父親の遺品のお話、
の3本です。(引用)
ふりーむ様
フリーゲーム夢幻様
プレイ時間
約20分
対象年齢
全年齢
キーワード
ノベル・短編・SF・ファンタジー・シリアス・マルチエンディング
特徴
・こゆび反応さんのノベルゲーム
・世界を滅ぼすか救うか決めるゲーム
・エンディング数は2つ
感想
・ストーリー
3章からなる話を読んで世界の存亡を決めよう。
滅亡か保存か。
・システム
◯文章を読み進めていくシステム。
◯最後に選択肢が有りエンディングが分岐する。
・気に入った点
◯小さい話から大きい話に変わっていく作品。第二章が自分好みだった。
ここからネタバレあり
↓ここから反転
・気に入った点
三章は化け物になった娘と魔法使いの話。自分が生贄&化け物にされたので復讐したいのは分かるんですが何故数百年後にもなって今更?
魔法使いが言っているように領主達はとっくに死んでるので恨みも薄れてそうなものですがいきなり世界全部を滅ぼそうとするとは。スケールデカすぎですね。
魔法使いも役目を果たすだけと言ってましたがそれは世界を滅ぼそうとする奴に選択肢を与える役目なんですかね?
でもなきゃ人間に戻す効能なんていらないですし。まだこの話だけだとよくわからないですね。
二章は四肢が麻痺した女性の話。若い人は介護されることにかなりストレスを抱える人が多いので排泄やたん吸引までロボットにやって貰わなければいけない彼女の精神的苦痛は理解できます。
そんな彼女も退屈という拷問の中で自身のやりたかったことを見つけて救いを得るのはとてもいい話だなと思いました。
三章はこの女性が見た夢から描いた小説の話なのかな?繋がりが見えますし理不尽な理由で望まぬ姿にされた女性が主題の話とも見れますし。
魔法使いが自身の役目があると言っていたのも作者である女性が幼い頃に忘れてしまっていた自分の作品を作りたいと言う役目を思い出したことから書いた内容かもしれませんし。
形ある物を何一つ後世に残せる物が無いとしても誰かの心に自分の一部を刻み込める。創作活動の良いところですね。
一章は上位次元の少年の話。三章の話は水槽の中で行われたシュミレートの一つみたいですね。
一つのコンピュータの中で世界一つを再現するとか父親1人で作ったならとんでもないプログラムですね。この世界がかなり科学が進んでる様子なので科学者が集まれば作れそうなのが更に怖いんですが。
人間と人に極めて近いプログラムの違いなんて分からないですね。心や感情まで再現できるとしたら後は命や人権とか?そもそも人を人たらしめる物は何なのか?哲学は浅学非才な自分には難しすぎる。
自分なら取り敢えず保存を選びますね。この世界に存在する以上どんな物にも意味はあると思ってる派なので。例え水槽の電源が落とされる事があってもこの少年が女性の作品を自分の世界に残せば彼女の生きてきた意味もあるんじゃないかなと考えたので希望があるEND1は好きです。
タイトルもあの女性が生きている水槽の中の水を抱えて家に帰るという意味なら保存ルートが正解なのかなと思いました。
自分の世界にもどんな存在でも取り敢えず生きていて良いと思ってくれる上位者がいればいいなと思わせる作品でした。
・エンディング
END1は水槽の世界を存続させるエンディング。
この世に不要な人間もカードも無い。多分。
しかし父親はどうやって水槽を作ったのか気になる。
END2は水槽の世界を終わらせるエンディング。
それは現実と向き合う強さでは無く違う現実を見る事が出来ない弱さでは?
そしてゲームは強制終了する。この世界すら水槽の一つに過ぎなかった。