フリーゲーム感想その143 「鬼語」
ゲーム紹介
「あの日、柘榴を口にしたその時、私はほんとうの鬼になったのさ」
座敷牢×鬼×ふたなりな大正因習伝奇ノベル!
時は大正、長者一族の代々治める村。
父を亡くし、幼くして長者の跡を継いだ主人公は、立ち入りを禁じられた離れの蔵で『ざくろ』と名乗る鬼と出会う。
妖しくも美しき鬼のカタる忌まわしき伝承は果たして嘘か誠か――――?(引用)
ふりーむ様
ノベルゲームコレクション様
鬼語 - 無料ゲーム配信中!スマホ対応 [ノベルゲームコレクション]
プレイ時間
約1時間
対象年齢
PG12
キーワード
ノベル・中編・シリアス・微ホラー・ふたなり・マルチエンディング
特徴
・とりにく工房さんのノベルゲーム
・座敷牢の中の鬼と話をするゲーム
・エンディング数は4つ
感想
・ストーリー
小さな村の長者だった父が死に新たに村の長になった子供の主人公。
退屈を持て余していた主人公は蔵の中から聞こえた声の元に向かう。
・システム
◯ティラノスクリプトを使ったノベルゲーム。
◯物語を読んでいくシステム。
◯終盤のみ選択肢が発生。セーブするのをお勧め。
◯全ての選択肢を見終えると・・・?
・気に入った点
◯中性的なざくろが可愛い作品でした。最後の一枚絵がお気に入り。
◯閉鎖的な村に美しい鬼が合わさりインモラル度が100倍だ。分かるかこの算数が。エエッ?
ここからネタバレあり
↓ここから反転
・気に入った点
鬼に狂わされた人間達の語りが聞ける作品でしたね。何度も出てくる柘榴の花言葉通り成熟した美に惹かれて不幸になった愚かな人間物語です。長者一家全員が鬼に魅了され堕とされてるとはこの村はダメかもわからんね。
でも何より不幸なのはそんな人間達に振り回される鬼の側ですね。母に復讐の道具にされ母と同じ事をして愛する人にも先立たれた挙句子供すら失えば狂うのは当然。泣きながら主人公の首を絞める所は悲しくも可愛くて興奮しました。
しかし最初の鬼の恨みがここまで延々と続くとは怖いぜ。それと決別できるかどうかがハッピーエンドになるかどうかの鍵になってるのかな。
ざくろが言っている鬼の子は二つの性を持って生まれた所謂ふたなりみたいですね。散様の様に男の猛々しさと女の美しさを併せ持つが故に殺されはしないが自由も無い。
あまりにも沢山の人間や鬼に鬼生狂わされ過ぎて悲しい。誠一郎と過ごせた時が彼?の救いだったのかもしれないですね。そんな愛する人に瓜二つで自分に執着する主人公はざくろにとってどんな存在に映ったのか。
最後は色々ありますがやっぱり全ての因果を放棄して幸せになるED4が最高です。クソみたいな村人も鬼の呪いも星になってしまえ。恨みや因縁からは決別した主人公とざくろで様々な事件を解決していく大正ロマン物語見てみたいね。
それにおまけを見る辺りED4が正史みたいで嬉しいです。この鉄道が走る時代に何故鬼が産まれたのかについても説明してくれましたしね。しかしまさかのシュブ・ニグラスが黒幕とは。やっぱり外なる神ってクソだわ。
後長者の家系図が滅茶苦茶過ぎて笑う。鬼に関わってないのが実質祖母と母しかいねえ。そんな中誠一郎とざくろの間の子に名前が無いのが物悲しい。
・エンディング
ED1鬼語りは主人公とざくろが別れるエンディング。
サラッとモノローグ死する主人公とどうやら解放されているざくろが語られてますね。
しかし代が変わっても鬼と人がまた惹かれ合いそうな感じを見るとまさに呪いだ。
ED2鬼拐りはざくろの子が長者となるエンディング。
人と鬼のハイブリッド、身も心も鬼そのもの。
ところでこの殺された合議制の長は桃子の婚約者と同一人物なのかな?
ED3鬼騙りは主人公とざくろがフュージョンするエンディング。
う あ あ あ あ ざ、ざくろが主人公の体で練り歩いているっ
愛し合う2人はいつも一緒。呪いも復讐も終わらせてハッピーハッピー。
ED4鬼は籠の外は2人で逃避行するエンディング。
ざくろって黒髪だったのか。知らなかった。
鬼は夢幻の存在のまま消える。