ゲーム紹介
主人公 大水真一郎はツイッター上でとある呼びかけをする。
「自殺で残された人で集まりませんか?」
そして、真一郎を含む三名が集まった。
彼らは自分の体験を語り始める。(引用)
ノベルゲームコレクション様
死ぬよりもつらいこと - 無料ゲーム配信中!スマホ対応 [ノベルゲームコレクション]
作者様のHP
プレイ時間
約1時間
対象年齢
全年齢
キーワード
ノベル・長編・シリアス・自殺・感動
特徴
・浦田一香さんのノベルゲーム
・自殺遺族者達が話し合うゲーム
・エンディング数は1つ
感想
・ストーリー
主人公は親しい者に先立たれた自殺遺族者。
ある時自殺で残された者同士で話し合うオフ会を開く。
自分を含む3人の若者が集まり互いの話を聞き合うのだった。
・システム
◯ティラノスクリプトを使ったノベルゲーム。
◯セーブ、ロード有り。一本道。
◯タイトル画面からゲーム中流れている音楽の鑑賞が出来る。
・気に入った点
◯重い主題だがそれにしっかりと向き合った作品。最後もそれぞれが自分なりに生き方を考えた終わり方になっている。
ここからネタバレあり
↓ここから反転
・気に入った点
重い主題ですが読ませる作品でしたね。
どうしても自分の周りで自殺した人がいないので深くは理解出来なかったところもありましたが様々な境遇で身内が不幸に襲われても生きていく人達の話には心動かされましたね。
時に生きていくのは死ぬより辛いですがそれでも支えになってくれる人や自分を奮い立たせる記憶があれば生きていけるのかもしれませんね。
一章は虐められていたranこと真一郎とフリーゲームで繋がった親友橋野の話。
塞ぎ込んで無関心だった自分の生き方を変えてくれた唯一無二の親友が自分自身への厳しさと事故で自殺を考えるまで追い詰められてしまう展開はキツい・・・。
普通の作品ならranが必死で作ったノベルゲームで心が動かされる展開になるのかもしれませんが彼はもう右手が動かなくなった時点で歩くのをやめた人間になってしまっていたみたい。
家族も辛いだろうけど何より自分の人生を変えてくれた相手がかつての自分の様になって何一つ残さず死んでいった主人公が1番辛えわ・・・。それでも彼の尊厳を守る為に戦い今も生き続けている強い人だと思いました。
エンディング後には彼が作る事を決めたゲームのタイトル回収で締め。波瀾万丈な人生を送り聞いてきたからこそ出せる答えでしたね。
二章は兄である拓海に先立たれたヨウこと衣笠海翔の話。
理解者が周りに1人もいないのは辛そうですね。数少ない心を許せる兄も自身の心の内は見せないまま死んで自他共に追い詰められていく心理描写がえげつねえな・・・。
最後は有能なお医者さんに自分からSOSを出せた事で少しでもいい方向に変われたのは良かった良かった。今回は動き出せたからこそギリギリの所で踏みとどまれましたが動くこともできず死んでいった人もかなりいるんでしょうね。
果たして拓海は何故自殺したのか。本人が死んでるので遺族には永遠に分からないままです。
後エンディングで母親がうつ病の理解者になってくれてるので彼は少しずつですが前に進んでいけそうだと感じました。
三章は余命僅かなザクロこと浦木杏と初恋相手の村沢準の話。
今までとは逆に自殺に追い詰めてしまった側の人間が主人公ですね。悪意無く父を自殺させたきっかけになってしまいそれから不幸のドミノ倒しみたいに人生が過ぎていくのは何ともいえません。
それでもその人生の中で数少ない互いを許し合える理解者に巡り会えたのは奇跡に近い幸運ですね。憎もうとしていた父親を許すことが出来たのも愚直なまでに杏の本質を理解して愛してくれる準がいたからこそですし。
しかし不器用な女だ・・・。愛した相手が数年後に死ぬ以上何をしようが言おうが呪いにしかならないのに突き放すしか出来ないのは自責の念が強過ぎますね。
最後はどこまでも一途過ぎる準に折れて自分に素直になれたのが救いでしょうか。病気がどうなるかは分からないけど少しでも思い出を生きた人間に刻めるなら生きる価値はあるのかもしれない。
エンディング後ではかつての自分の様な女の子を諭してあげる側に。しのぶに言われた事が生きてますね。人と人が繋がる限りミームは生き続けるんだなあ。