フリーゲーム感想その32 「辻褄合わせの話し言葉」

ゲーム紹介

突然の異変に見舞われ、時間軸のズレた世界に迷い込んだ少年ミヤと青年トウ。 それぞれ迷い込んだ人間も、また複雑な事情を抱え込んでおり……。（引用）

vector様

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作者様のHP

辻褄合わせの話し言葉 公式ページ

プレイ時間

約1時間30分
 

キーワード

中編作品・探索・アドベンチャー・バディ・ホラー・自作イラスト有り

特徴

・黒時さんの探索アドベンチャーゲーム

・それぞれ能力が違う2人の主人公を切り替えながら探索するのが特徴

・気の良いおじさんと気まぐれな少年の掛け合いが魅力

・エンディング数は3つ

感想

・ストーリー

ある日男子学生のミヤが眠りから覚めると母親がバグっていた。

そこに不法侵入してきたおっさんのトウが言う所によると今世界の時間軸がズレてしまっており、不自然な時計を直せば元に戻るかもしれないとの事。

時計を認識出来るミヤは気まぐれでトウの手伝いを始めるというストーリー。

・システム

ステージの中に隠された時計を見つけて直す事で先に進む事が出来るシステム。

時計は見えないが物に触れる事と時計を直す事が出来るトウと、物に触れないが時計を見る事とズレた物を感知出来るミヤを使い分けてギミックを解いていく。

謎解きはそこまで難しくは無く、何かありそうな所では相方に話しかけるとヒントを黄色い文字で教えてくれるので詰まりにくい様に出来ている。

エンド分岐の隠し要素もきちんと隅まで調べれば見つけられるので難易度も優し目。

調べられる物が多い事や場所、条件でキャラの台詞が変わるのも好印象。

調べるのとアクションで違う行動になるので探索の楽しみが増えるのも◯。

・気に入った点

気まぐれだけど怖がりで誰にも本心を見せたがらないミヤと苦労人でお節介なトウの掛け合いが魅力の作品です。

互いに欠けている所を埋めあえるバディ物は、時間をかけてかけがいの無い存在になっていくのが面白いですね。

クリアした後でも明かされなかった謎が幾つかあるので考察が得意な人も楽しめる作品だと自分は思いました。

ここからネタバレあり

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・ストーリー

結局あの世界は白昼夢だったのでしょうか？

トウとミヤの両方が何かしらの不満を抱えていたから同じ世界に閉じ込められたのかなと思ってます。

バッドエンドはミヤとの対話を行わなかった結果致命的にズレてしまい決裂。

この作品のテーマが対話と理解だと思っているのでそれを無視すればバッドになるのも当然ですね。

ノーマルエンドはミヤだけが夢の記憶を持ったまま目覚めてトウに再開して終わり。

何とも切ない終わり方ですがループ物みたいな結末で結構自分好みです。

現状は何も変わっていませんが、泣き言を打ち明けるまでに心を開いたミヤならまた1から関係を築けるんじゃないかなと思ってます。

トゥルーエンドはトウが自分とスズヤとの過去を振り返った事でミヤの不満を受け止めて全てのズレを修復。

記憶を保持したまま目覚め待ち合わせに向かう最中で同じく夢の事を覚えていたミヤにからかわれ終わり。

小さなズレも残さず向き合ったから得られた最高のエンディングって感じで最高です。

・キャラクター

個人的に気に入ったキャラは文字通り箱入り娘のハルカ。

喋り方が可愛いのと彼女では無いけど腐れ縁みたいな関係性が大好きだからですね。

閉じ込めようとしたときの台詞がまた可愛い。ノーマルエンドやトゥルーエンドでは立ち姿も見られてよかったです。

後ミヤとトウの関係も赤の他人から泣き言を言えるまでに成長するのがいいですね。

バッドやノーマルではキチンと向き合えず、結局ズレてしまうのがトゥルーだとトウが自分の過去を顧みた事で分かり合える。

そこに人と人とのコミニュケーションの難しさや素晴らしさが表現されていたなと感じました。